性格を変える方法 ー「脳科学は人格を変えられるか?」ー
JIKATABI Blogにいらっしゃいませ.
ブログで読書感想文とゆうか,本を紹介させてもらうのははじめてですが,とてもいい本に出合ったので是非最後まで読んでみてください.
私はよくあるんですが,自分の性格変えたいとか思うことありませんか?(性格と人格の使い分けがむずかしいです.自分なりの使い分けをさせていただきます、)
人それぞれ個性があっていいというのはもちろんなんですが,人生楽しく生きていくには,ポジティブな人間であるほうがいいというのは誰にでも当てはまると思います.
性格は遺伝的な部分とか,過去のいろいろな経験とかがあってのものやから,そう簡単には変えられないのは事実であるかもしれないけども,今回紹介する本では,脳科学や心理学的な観点からトレーニングによって人格を変えることは可能であるということを教えてくれます.
確かに遺伝的な部分とか,もう起こってしまったこと,経験したことを変えるのはほぼ不可能です.
でも人格はそれだけでつくられているんじゃなくて,「現実世界をどうんなふうに見るか,感じるか」という要素も関わってて,今回のテーマではそこが一番重要なところです.
つまり,そこ(見方・考え方)を変えることができれば,人格も変えられるというお話です.
遺伝子がどれだけ本来の力を発揮できるかは,環境に大きく左右される.人はみな何かしらの遺伝的な強さと弱さをもって生まれるが,そうした強さや弱さが実際に表にあらわれるかどうかは,人がどんな世界に生きているかで決まる.
それぞれの人格は脳の奥にある複雑な回路の微妙な変化とともに形づくられていく.
「脳科学は人格を変えられるか?」 p15
私は脳のことについてちゃんと理解してるわけではありませんが,その人の考え方が脳の形にも影響を及ぼし,人によって脳の形が違うらしいです.
脳の形が違うから考え方が人それぞれなのか,考え方が違うから,脳の形も人それぞれなのか,どっちが先なんだってなっちゃいますが,どっちもどっちというか,
最初は意識的に考え方を変えて,そうするうちにだんだん脳の形も変形して,もうその考え方が染みついて自分のものになるってゆう感じなのかなと私なりに解釈してます.
なんで考え方が変わったら脳の形が変わるの?って疑問になるかもしれないんですが,それは本の中にもちゃんと説明があって,
例えば,Black Cab わかりますか?ロンドンのタクシードライバーのことなんですが,Black Cab になるには世界一むずかしいともいわれるドライバー試験に合格しないといけなくて,ロンドンの複雑な町の地図がまるまる頭に入っているようなくらいのすごさらしいです.
意外と有名かもしれないですが,その Black Cab の人達の海馬という脳の一部が一般の人に比べてデカいという話があります.ロンドンの町を詳細に頭にインプットするために猛勉強すると,海馬が鍛えられて,発達するみたいです.
脳は筋肉でできてるわけじゃないですが,筋肉みたいにトレーニングすると発達するということです.
もうちょっと脳科学っぽい感じの説明もあって
脳といえばニューロンですね.
ニューロン同士のネットワークの中で,同じニューロン同士が何度もやりとりすると,その2つの間を結ぶ経路が発達して,やりとりのスピードがアップします.
実際脳の中ではどんな感じなのかはちょっと難しくて細かいことは分からないんですが,本を読んで私がイメージした感じで説明しますと,
はじめAからBの地点まで行くのに,草ぼうぼうの道があって,かき分けながら歩いて時間がかかっていたところでも,何回もそこを行き来してたら草がなぎ倒されて,だんだん生えにくくなって,道らしくなって走っていけるようになる
ってゆうのと同じような感じですかね.
それということは,神経伝達物質,ニューロン同士のやりとりにわずかでも変化が起きれば,脳のネットワーク全体の反応に変化が起きて,
人格にまで影響するかもしれない
ということです.
この本では,Sunny Brain と Rainy Brain という言葉が出てきます.
Sunny Brain =喜びに対する脳の反応 → Optimism(楽観的)
Rainy Brain = 困難に対する脳の反応 → Pessimism(悲観的)
楽観というと皆さんどんなイメージですか?
「楽観=常に上機嫌」 ではないです.
本に合った言葉をお借りすると,「楽観というのは,意義深い生活に積極的にかかわり,打たれ強い心を育み,自分で状況をコントロールできるという気持ちを持ち続けること」で,良いことも悪いことも受け入れる能力っがあってこそ,楽観はプラスに作用し,これがSunny Brain のしくみだということです.
楽観的なリアリストは,ハッピーな思考のみで良いことが起きると考えるのではなく,自分の運命は自分でコントロールできると意識の底で信じている.
「脳科学は人格を変えられるか?」 p82
ほとんどの人は楽観主義気味にできているようです.
The Optimism Bias(楽観的傾向)
これは,人間が生き延びていくために自然と磨かれてきたメカニズムなそうです.このおかげで,ものごとがみな悪いほうに向かっているように見えても前にすすんでいくことができます.
スケールが大きいけど,貧困問題,環境問題,紛争問題など解決できそうもないいろんな問題が山積みになってても,ほとんどの人は一応毎日前にすすもうと生きてますよね.
その一方で,物事を楽観的に考えるのは,悲観的に考えるよりもずっとむずかしいことであるのが事実です.これは,人間の本来のそうゆう傾向上仕方ないことですが,ポジティブなものよりもネガティブなものに強くひかれてしまいます.(これを政治戦略やメディア関係にうまく利用する人もよくいるみたいです.確かにこわい事件や事故のニュースのほうがちゃんと見てしまいますよね.皆さんうまく誘導されないように気を付けましょうね.)
これも生き延びるために培ったもので,僅かにでも危険があれば,脳はそれを即座に最優先で拾い上げ,脳内で起きているほかの作業をストップさせ,すべてを危険に集中させます.
恐怖の回路にスイッチを入れるのは一瞬で,でもそれが一度作動してしまうと,長く続いてしまう可能性が高く,そこからの軌道修正はほんとに難しくて,楽観的思考を妨害し,楽しい人生を遠ざけてしまいます.
恐怖回路のメリットのために生じる代価=楽観に生きる最大の障壁
恐怖の回路はものの見方や考え方を簡単に方向づけて,結果,現実を見誤らせたり,間違った解釈をさせたりしてしまいます.
私は今まで生きてきた中で,ありがたいことに,そこまで精神をやられたことが無いので,PTSD やうつ病などがどんな感覚なのか想像もできないですが,たった1回のことであっても,何かショックだったり,トラウマ的な出来事がその人の思考を支配してしまうというのはほんとに怖いです.
自分を守ってくれるために恐怖回路が作動しても,それがいき過ぎると,人生めちゃくちゃになりかねません.
それでもどん底から立ち直る人はしっかりいます.
Rainy Brainの根底にある神経回路は非常に可塑性が高く,思考の仕方や習慣をまたたくまに,しかも強固に形成する.けれど,可塑性があるからこそ,機能不全に陥った回路を逆にポジティブな方向に変更することも可能なのだ.
個人を個人タラ占めている記憶や信念,価値観,感情,習慣,性格の特徴などの要素はみな,脳の中でのニューロンがどんなふうにネットワークをつくり,どのように連結するかに関連している.
「脳科学は人格を変えられるか?」 p252~253
脳内のニューロンのネットワーク,連結の仕方を変える
↓
思考パターンが変わる
↓
人格が変わる
こんな流れになると思います.
つらい状況でも感情をコントロールできるように,人はみなそのこつを自然に身につける.このメンタルスキルの差が脳の反応に大きなちがいをもたらす.
「脳科学は人格を変えられるか?」 p263
「感情をコントロールする」ということを脳科学っぽく具体的に説明すると,
まず前頭前野と偏桃体という,脳の話の中では比較的有名な聞き覚えのある登場人物が関わってるようで,
前頭前野は,計画づくり,推論,問題解決,ほかの領域の働き抑制など,かなり重要な役割を背負っています.
偏桃体は,恐怖感,不安,悲しみ,喜び,直観力,痛み,記憶,価値判,情動の処理,交感神経に関与しています.特に恐怖や不安,ストレスに敏感です.
そしてその2つの間に鉤状束という経路があり,不安を感じやすい人は,その束が細くて弱く,感じにくい人は太くて強いそうです.
つまり偏桃体が不安や恐怖などのストレスを感じたとき,前頭前野がそれに対する抑制メッセージを鉤状束を通して送るときに,鉤状束が太くて強いと,すぐにそのメッセージが伝わって,パニック反応を抑え,不安のコントロールがうまくいきやすいというものです.
鉤状束の強弱は,生まれつきの可能性は確かにあるそうなのですが,トレーニングによって強めることができるようです.
起きたことや経験に対する認識の変更を何度も繰り返していくことで,恐怖や快楽に直面したときの脳の反応が変化していくというものです.これは実際に精神的な治療法にも取り入れられています.
意識レベル → 認知行動療法
無意識レベル → 認知バイアス修正法(気づかないうちに脳に変化)
人はどんな遺伝子の構造を持っていても,どんな出来事に見舞われても,それで人生の道筋が決まるわけではない.
人が状況にどう反応するかは先天的な資質と後天的な環境に左右されるのはたしかだが,すべてがそれで決まるわけではない.
心の目に映る風景(個々の認知のバイアスやゆがみ)を変化させれば,人は自分の世界観をも変えることができる.
「脳科学は人格を変えられるか?」 p269
Mindfulness や Open monitaring をあげていました.
今この瞬間に経験しているものごと1つ1つに注意を向けて,すべての感覚や思考を判断したり,反応したりせずに,とりあえず心の中を通過させて,心を開かれた状態にし,自己認識能力を高める
という,できそうでできてるかどうかわからない感じのやつです.
1つ1つに注意を向けて,それに対して何も感情をもたすに判断しないというのは
例えば,車が走ってる音とかが聞こえてもうるさいと思ったりせず,虫が顔の周りをうろちょろしてもうっとうしいと思ったりしないで,
ただ,車が走ってる,虫が飛んでる,ただそれだけのこと
としてに受け流すというか,心の中を通過させるという感じだと思います.
たしかにこうすることで,自分の感情から少し距離を置いて眺められるようになって,冷静になって感情をコントロールできそうです.
日々の中で経験する悩みや心配事の大半は,外界で起きる出来事そのものに起因するのではなく,そうした出来事を自分がどう解釈するかで引き起こされる.つまり,自分の頭の中で起きることこそが,自分に真に影響を与える.
「脳科学は人格を変えられるか?」 p271
この言葉は個人的にとてもお気に入りで,
例えば,何かにムカついたとき,外界で起きている出来事としては,そこまで腹を立てる必要のないようなことなのに,自分の頭の中でそのことを過剰にとらえすぎて怒ってしまうという感じだと思います.そう解釈してしまったら,もうその人のなかでは,かなりムカつく出来事になってしまう.
誰かの愚痴をきいてて,そんなにムカつくことかなって感じたこと一度はあると思うのですが,それはもうその人の頭の中で起きていることだということです.
感情をうまく調節できる人は大きな幸福を感じている.
修羅場の中でも感情的な反応をどれだけコントロールできるかは人生の成功度合いや人生に対する満足度にもつながっているようです.
ここまでをシンプルにまとめますと,
前頭前野の統制力=心理的な免疫力=感情のコントロール力=人生のコントロール力
ということです.脳を変えると考え方が変わり,性格が変わり,人生も変えられることになります.
状況を自分でコントロールできること,(実際できなくても)そうと感じることだけでも幸福感や安心感はアップするそうです.
悲観的な人=‶より悲しいが,より賢い“
楽観的な人は,(ゲームなどにおいて)実際は状況をいっさいコントロールできない場合でも,なんとなくできると錯覚しがちであるのに対して,悲観的な人は,コントロールできないということを正確に判断するという意味では,楽観的な人よりも賢いということになるかもしれません.
しかし自分の人生においては,自分自身が舵を握っていると考えるのが正解だと思います.
生きてるものにとって最大の問題である,
「幸せであるためにはどうすればいいのか」
人それぞれ「幸せ」はちがうかもしれないけど,
今回の話の流れでいくと,おいしい食べ物とか,新品ピカピカのモノとかそうゆうのが幸せじゃありません.
たしかにおいしいもの食べたり,欲しかったモノが手に入ったら,幸せ~って思いますが,
進歩のパラドックス
というも言葉があるように,社会の物理的豊かさとそこで生きる人々の幸福度や安心感に関連はないそうです.
日本の物理的豊かさは,私はピカイチと思いますが,それでも心の底から「幸せです!」っていう人は少なそうだと感じます.
おいしい食べ物も新品のモノも,長期的には人の幸せを満たしてくれるわけではないようです.
この幸福の3要素を満たすために,本では「フロー(最適経験)」というものが紹介されています.これはつまり,何か自分が没入するものを見つけるということです.
「フロー」は,スポーツにおける「ゾーンに入る」というのと同じ感じで,この経験中は,過去や未来についての意識は消えて,「今この瞬間の自分」という強烈な,圧倒的な感覚だけになります.精神と肉体が苦も無く一体となるような魔法のような瞬間で,ほかのものはいっさい入り込むことができないトランス状態のようなものが訪れます.
この「フロー」を経験するには,自分のスキルレベルと挑戦の度合いとの間で絶妙なバランスを見つけることが肝心です.
これを見つけるのってほんとにかなりむずかしいと思います.でも見つけたら,人生楽しくて幸せになれます.必ず誰にでもそれぞれにあった「フロー」が存在するはずだと思うのですが,それに出会えれたら,見つけられたらそれは奇跡に近いと思います.
例えば,甲本ヒロトさんはロックで,ホリケンさんはお笑いで,みたいな感じでしょうか.
今自分が好き,楽しいと思ってることはあっても,「フロー」を経験できるのは,実はそれじゃなくて,全く別の予想にもしてないものが隠れてる可能性も十分にあると思います.
最後に,幸せのためにもっと日常レベルではどんなことができるかということですが,
ポジティブとネガティブの黄金比
ポジティブ:ネガティブ=3:1
つまり,ネガティブな気持ちを1つ感じるごとにポジティブな気持ちを3つ感じるように生きるということです.
ネガティブはたしかに良いものではないけれども,100%排除しようとするのではなくて,ネガティブな経験1つにつき,それよりもたくさんのポジティブな何かを経験する努力が必要だということです.
ネガティブな気持ちを無理やり抑え込まずに,感情を広い幅で経験することで,健康的で敏感なSunny Brain と Rainy Brain のバランス,ポジティブとネガティブのバランスを適正に保つ能力を身に着けることが大切です.
何事も極端ではなく,ちょうどいいバランスが大事ですね.
長くなってしまったうえに,少し難しい部分もありましたが,
とにかく
ある現実に良いも悪いもなくて,それを決めるのはその人の考え方次第です.
そして,自分の人生は,ほかのなにものでもなく,自分がコントロールするという強い気持ちを持てば,楽しい幸せな人生に向かって進めるんじゃないかと思います.